冷酷さも、愚かさも、傷でさえも財産

「星に良い悪いは無い、吉凶は人間側の判断」とはよく言われますが、そうはいっても凶星（マレフィック）とのハードアスペクトがあると気になってしまいますよね。
凶星ではなくとも、短所としか思えない、これが無ければ！と思うこともあるでしょう。
今回は嫌な部分や弱みであっても考え方によってはリソースとなる、ということに焦点を当ててみたいと思います。

冷酷さが財産

ホロスコープ内に冷酷さに関連するアスペクトがあると、性格が悪いみたいでショックを受ける方もいらっしゃるでしょう。
どんなアスペクトが該当するかというと以下になります。

太陽と冥王星のハードアスペクトは野心が強く、権力を求める傾向があり、自己顕示欲や支配欲が強いと言われています。火星・冥王星のハードアスペクトは独断的で目的のためには手段を選ばないところがあり、時として残酷な面があります。

水星に土星や冥王星のハードアスペクトがあると、論理的、合理的思考に長け、情に左右されないという性質を持ちます。
水星・天王星のハードアスペクトも理知的で感情に流されないところがあります。客観性を重視する傾向ですね。
土星・天王星の合（コンジャンクション）は合理主義で堅物。

共通点としては「合理性」「共感性がない」「感情が薄い」ことです。

友達としては歓迎されにくい資質ですが、政治家や大企業の経営者であった場合は話が変わってきます。

政治家は、10万人の人を不幸にするけれど1億人の暮らしを守る政策のように、時として多くの人を犠牲にする判断をしないといけません。
そこに罪悪感を感じたり、犠牲となる人やその家族に共感していたらやっていけないですよね。

大企業の経営者もリストラをして、社員やその家族を路頭に迷わせてしまうことがありますが、そうしないと会社が倒産して数万人の雇用が消失してしまいます。

感情で動かず、常に合理的な判断をしないといけません。それにより多くの人を救ったり、後の世に貢献したりすることもあるわけです。
結果的に、共感性があり優しい人よりも多くの人を救っていることさえあります。

自分のためにこの能力を使う場合はなおさらです。成功者にはサイコパシーの高い人が多いというのを聞いたことがありませんか？感情を排除して、ロジカルな判断をすることで富を手に入れやすくなります。

愚かさが財産

頭が良くないと、仕事ができなそうとか、人から騙されそうとか、損なことばかり思い浮かびますよね？
しかし、「愚かさ」がリソースになることもあるのです。

たまに頭の悪い星ってあるんですかって聞かれるのですが、実はこれがあると頭悪い！というアスペクトや特徴はあまり無いのです。
強いていえば、水星とキロンのハードアスペクトで知識や知能にコンプレックスがあるとか、水星と土星のハードアスペクトで知的なことに苦手意識があるというのが多少あるくらいで、これがあるからおバカ！というわけではないのですよね。
あとは、太陽か月と木星のハードで大雑把過ぎ、楽天的過ぎるとか、木星や海王星がパーソナル天体（太陽・月・水星・金星・火星）に絡むと緩い感じがして、バカっぽく見えるという場合もあるかと思います。

参考までにおバカタレントと言われている芸能人の方のホロスコープを見てみましょう。

出川哲朗さん（1964年2月13日生まれ）

やばいよ！やばいよ！リアルガチ！のように同じことばかり言ったり、切り返しにキレがなかったりとインテリ芸人の対極にいるような印象でした。

しかし、リアクション芸で長い間芸能界で活躍し、昔は嫌いな芸能人ランキングの上位でしたが、今では好感度の高い芸能人にランクインしています。

出川さんのホロスコープはというと、水星は金星とセクスタイルのみで、他のアスペクトは無し。天王星と冥王星のアスペクトがほとんど無く、パーソナル天体との絡みは皆無です。

そのかわり、海王星が太陽・火星・土星とスクエア。海王星のスクエアが多いと、地に足が着いておらずフワフワとした印象となります。天王星の客観性や冴え、冥王星の合理性の恩恵を受けていないため、感覚だけで生きている状態ではないかと思われます。

しかし、何でも受ける力があり、出川イングリッシュのように体当たりで出たとこ勝負に強いですね。出川さんの場合は太陽・火星・土星がコンジャンクションなんで忍耐力や継続力があるというのも成功する要因となっています。

鈴木奈々さん（1988年7月9日生まれ）

必ず同じことを2回言ったり、オーバーリアクションで笑いを取っている鈴木奈々さんですが、ホロスコープを見ると、水星と土星・天王星がオポジション、水星と火星のスクエア、火星と土星・天王星のスクエアのTスクエアを持ち、むしろ癖のある作家やクリエイターのような雰囲気があります。

確かに、発言にエキセントリックな雰囲気とか常人離れしたものを感じることがありますね。

水星・キロンの合と土星・キロンのスクエアをお持ちなので、勉強が苦手とかコンプレックスがありそうな感じはします。キロンがTスクエアの星全てに働きかけるので、明るく見えるけど苦労が多いかもしれません。

バカだと思われたくない！っていう気持ちがあるようですが、そこが奈々さんの財産なんですよね。それでも、不安も何もかもオープンにしてしまうので、共感する人もいるし、助けてあげたいと思う人もいるのでしょう。

生まれた時間が不明ですが、月と木星が合の可能性があります。このアスペクトがある方は、ひたすら明るくポジティブで人に好かれる傾向があります。
女性で見た目が良くておバカだと悪い人に利用される危険もあるのですが、太陽・冥王星トラインで引き立て運があるため大丈夫そうです。

昨年は体調不良で休養したり、エゴサをして落ち込んでしまったようですが、バラエティー番組での鈴木奈々さんの明るい姿には励まされている人も多いと思いますし、頑張ってほしいですね。

横川尚孝さん（1994年7月10日生まれ）

筋肉おバカキャラとしてバラエティー番組で活躍されています。前に住んでいた家に行ってしまったり、何かと忘れやすいみたいですね。

プロテイン風呂に浸かって、皮膚からタンパク質を吸収するという生物的機能をも超越しようとする姿勢、太陽と天王星・海王星オポジションでトリッキーなことを際限なくやらせる効果でしょうか。
横川さんの度を越したおバカっぷりは太陽と天王星・海王星オポを極限まで暴走させた姿のような気がします。

水星はというと、金星と木星で小三角形の複合アスペクトを形成しています。バッキバキの筋肉とギャップがある可愛い系の顔立ちや、面白い発言で人気運があります。
鶏肉を生でミキサーにかけて飲んで、「ピコピコハンマーみたいな名前の菌が出た！」（おそらくカンピロバクター）と呟いていたり、発言にキャッチーさ、ポップさがあります。
鈴木奈々さんと同じく、太陽・冥王星トラインがあり引き立て運もありそうですね。

生活の全てを筋肉に全振りするのって、細かいこと考えたらできないと思うんです。普通は食生活とか健康への長期的なリスクとか、着れる服がなくなりそうだな、とかイチイチ考えてしまうじゃないですか。
そういうことを考えず、突き進む力。考えられないとか忘れてしまうことのアドバンテージを感じます。

このように「愚かさ」という負の面しかないような特性も、「何でも引き受ける力」「無駄に考えない力」「人から好かれたり、助けてもらう力」という財産として使うことができます。

傷も財産

キロンがアングルにあったり、パーソナル天体と合やハードアスペクトを取っている方は心に傷を負っている可能性が高いです。それ以外にも月が海王星や冥王星とハードアスペクトの場合も当てはまるかと思います。

冷酷な人の「人の気持ちを考えない」というリソース、おバカな人の「あれこれ複雑に考えない」というリソースがありましたが、心に傷があるとどちらも使えなくなってしまいます。
トラウマがある人は「自分のことより相手の気持ちを考え過ぎてしまう」とか「色々と考え過ぎて、不安になって行動できない」という特性があるのです。
でも、心に傷がある人はそれ以上に成功するための宝を持っているように思うのです。

苦しみがあるほど、どうしてそうなんだろうと問を立てることが多くなります。普通の人が気づかないものが見えたり、常識と言われていることの矛盾に気づいたりします。

本当の優しさとは？救いって何だろうか？「愛」は本当にあるのだろうか？

考えて答えを探し出すことを何度も繰り返すうちに、この世のシステムが見えてきます。
そうすると仕事も人間関係の悩みもクリアになっていき、苦しみを生み出すパターンから抜けることができるのです。

そうなってしまえば、お金を稼ぐことも、素晴らしい人たちとだけ縁を繋ぐことも容易になります。

映画「ホテルビーナス」で市村正親さん演じるビーナスのセリフです。

心に傷を負った人は、地を這い闇の中にいるようでありながら、実は誰よりも天に近い存在なのです。

今回のブログでお伝えしたように、どんな弱みも、負の面しかないような事柄も、視点を変えれば宝が埋まっているものです。

そのような視点でホロスコープを読むと、また別の収穫があると思います。